赤ペン親父のつぶやき

赤ペン親父のつぶやき 25話

独裁国家に依存するのは止めにしよう

掲載日:2026.09.02

 ハンガリーの経済学者ヤノーシュ・コルナイが指摘しているように、独裁国家では経済がいびつになっても修正が効かず、やがては経済全体が破綻する。中国は今や独裁国家になってしまっており、このような国に依存して、原料の調達及び製品の大部分を輸出している企業は、良い時ばかりではないことをはっきり認識して、少なくとも依存体質は改めるべきであろう。ほどほどに付き合えばよい。

 独裁国家にはその独裁者の意向に逆らう官僚はおらず、その意向に従って何でも有りの政策をとってきた例は枚挙にいとまが無い。古い話にはなるが、福島事故後に日本の海産物の輸入を禁止したことは誰もが知っている科学的合理性の無い暴挙だったと言えよう。最近のレア・アースの輸出規制も、外国の経済活動に影響を与える為に、敢えて行っている自己中心的政策と言える。

 中国によるホタテガイの輸入規制に懲りたある水産物輸出業者が、輸入規制が始まった翌年にはホタテガイの輸出先を大きく転換して、結果的に大きなダメージは受けなかったと言っているニュースを見たことが有る。このように自助努力を惜しまず、速やかに対策を施す称賛に値する企業が有る一方、中国の規制によって会社の存立が危ぶまれるとして、政府に援助を求める企業の方がはるかに多いという現実もある。

 競争力の維持を図りコストを抑えるために、これまで中国に依存せざるを得なかったという現実は容認せざるを得ない。しかし、そもそも中国は、劣悪な労働環境などお構いなしに製品を製造して安売りをし、競争企業の弱体化あるいは市場からの撤退を余儀なくさせるという戦略を採用している。安いからとそのような国に依存した結果、今その戦略にまんまとはまって、世界中が困るという状況を作り出してしまった。レア・アース市場においては市場占有率80%以上を実現したのはこの迷惑な戦略の成功例である。このように姑息な手段を平然と実行に移すような、自由貿易世界では許されないような体質が明らかになっている今、独裁国家中国への依存から脱却し、自由世界の中で健全な経済活動が出来るようなサプライ・チェーン作りをするのが、企業経営者全体に課されている喫緊の課題であろう。 このような環境下、豪州でのレア・アースの開発が始まったこと、日本でも南鳥島周辺でレア・アースの埋蔵が確認されつつあることなど、明るい展望も見られるようになっている。大変喜ばしいニュースであり、政府が積極的に資金を投下して盤石のサプライ・チェーンを構築する政策にまい進し、独裁国家の経済的破綻の速度を速めて欲しい。                                             (E.I.記)